夜は非常に冷え込み、風邪をひいてしまいかねない気温になってきました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。私は風邪を引いてしまいました。
さて、これまで犬と猫の寄生虫についてつらつら書いてきましたが、今回はそいつらを倒す駆虫薬について書いていきます。
ワンコの飼い主様は多くの方がフィラリアの予防をされていると思いますが、使用している薬剤名(製品名ではなく)を気にしたことがありますか?
フィラリアを駆虫できる薬剤は、イベルメクチン、モキシデクチン、ミルべマイシン、セラメクチンなどがあり、どの薬剤も1か月に1回の投与でフィラリアの寄生を予防できます。(例外あり)
大雑把な違いとしては、イベルメクチンとモキシデクチンはフィラリアだけを駆虫するのに対し、ミルべマイシンはフィラリア・回虫・鉤虫・用量により鞭虫にも効果があり、セラメクチンはフィラリア・回虫(猫)・ノミ・ミミヒゼンダニを駆虫する効果があります。
また、薬の剤型としてはイベルメクチン、ミルべマイシンは錠剤またはチュアブルですが、モキシデクチンは錠剤、チュアブルのほかに注射剤(1回の投与で6か月~1年の効果あり)があり、セラメクチンは液剤で皮膚に滴下するタイプのお薬です。
これらのフィラリアの薬に他の寄生虫の駆虫薬を混ぜた合剤や、剤型が錠剤、チュアブル、液剤などなど、色んな製品が各メーカーから出ているため、正直私もすべて把握しきれていませんが、とりあえず当院で取り扱うフィラリアの薬はこれに決めました。
①イベルメクチンのみの錠剤
カルドメックのジェネリック品
②ミルべマイシンオキシムとプラジクアンテル(条虫の駆虫薬)の合剤 チュアブルタイプ
インターセプターSチュアブル
①はフィラリアだけを駆虫するお薬で、錠剤タイプです。②はフィラリア、回虫、鉤虫、鞭虫、瓜実条虫、多包条虫を駆虫できるお薬で、チュアブルタイプです。
②の味ですが、この薬のメーカーさんが手の平に薬を置いてワンコが自発的に食べてくれるかという実験を行った結果、94%のワンコが自分から食べたそうなので、ワンコにとっては喜ばれる味のようです。
ただし、一緒に入っている条虫の駆虫薬が少々苦いので、小型犬でたまにこの薬を嫌がる子がいるようです。また、風味づけにチキンをふんだんに使っているので、チキンが苦手な子や、チキンにアレルギーがある子はこの製品を使わないほうがいいです。
お薬を飲ませる時期は以前にも書きましたが、フィラリア予防に関しては、南房総地域は5月から12月までの計8か月間、月に1回与えてください。
また、その年に初めてお薬を飲ませる場合は、事前に検査を行い、フィラリアに感染していないことを確認してから飲ませて下さい。
(フィラリアに感染した状態でお薬を飲むと、ワンちゃんはショックを起こす場合があるため。)
どの薬がいいかは、そのワンコの性格や飼育環境などによって違ってくると思いますので、ご相談ください。
また上記以外の製品でも、ご要望があれば用意できますので、お気軽にお問い合わせください。
では、お風邪など召されませんようにお気をつけくださいませ。
ヤスダ動物病院 07032631122
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